日本語はお好きですか?

言語学専攻の日本語教師やっちゃんの記録

ウズベキスタン各地の日本語教育

またまたご無沙汰しています。

やっちゃんです。

実はついに苗字が変わって、ウズベキスタンへ赴任しました。

 

ウズベキスタンは乾燥がすごく、10月末から寒くなってきました。

 

赴任後は日本企業の視察旅行のアテンドなどで休みなく働いています。

もうすぐ落ち着くので記事を書いています・・・。

 

企業アテンドで東ウズベキスタン日本語教育機関をいくつか見てきたので紹介したいと思います。

1.ウズベキスタン日本語教育事情

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国際交流基金調査

こちらは私の過去のプレゼン資料ですが

2015年の国際交流基金日本語教育機関調査結果では

ウズベキスタンには日本語学校は少なく、

機関数は14となっていました。

 

2018年度の結果はまだ公表されていませんが、おそらく数倍になっていることと思います。

日本へ留学へいくウズベク人は増加傾向にあり、いい思い出を持った先輩が帰国して日本語学校を開くなど、興味が日本へ向いています。

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ちなみにウズベク人情報によると、ウズベキスタンでは人口増加から学校不足が問題となっており、大学進学が国内では難しい状況になっています。

国内の国立大学を受験する学生のうち10%~15%の学生しか合格できないのです。

そこでウズベク人は外国の大学を受験するか、専門学校へ進学することを選ぶようです。

 

そこで、ここからは私が訪問した先を少し紹介させてもらおうと思います。大学、日本語学校などです。

2.タシケント東洋学大学

この大学は名門中の名門と言われる大学です。

学部は文学・歴史・経済・哲学などの専門か、中国学、韓国学が選べます。

中国、韓国について勉強する人は数が多い(200人以上いる)ので別途学部として独立しているそうです。

国学部では中国文学・中国史中国哲学などの学科に分かれているようです。

この文学や歴史などの選んだあとで、その中でも特に何を学びたいか、ということで日本語やマレーシア語、インドネシア語ウイグル語などの14の言語を選択し、それに関わる自分の興味ある専門を深めていくそうです。

 

日本語を選択する学生も増加したそうで、

いま、「日本学部」設立が決定されたんだそう。

 

ここでは30年近くこの大学で教えられている日本人の先生など、日本人の教師は3名います。

みんな4年間かけてN2レベルまで上げるんだそう。

 

授業見学もしましたが、アウトプットを重視したすばらしい授業をみることができました。

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ありがとうございました。

続いては安定のUJCです。

 

3.ウズベキスタン―日本センター(UJC)

タシケント東洋学大学の近くにあるUJCへも行ってきました。

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インターコンチネンタルホテルと、銀行の間にある大きなビル。

ここにUJCが入っていました。

 

JICAの協力でできたUJCでは、「まるごと」を使った日本語教室やウズベク語で行うミニMBAコースなどが開催されています。

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 現状としては常時250人~280人程の学生が勉強しており、

生徒の年齢は、14歳~の普通コースでは高校生くらい~60代の方もおられるそうです。

 他に10歳~13歳の年少者コースというのもあるそうです。

子どもが多いウズベキスタンは学校もシフト制ですので、学校がない時間に小さい子供も語学の学校に通っているのだそうです。

 

UJCの教師もウズベク人が多いそう。

アジアの日本語教育機関はどこも日本人不足なんですね・・・

ただ、質の良い現地人講師がいればいいのですが、ウズベキスタンの場合はもう少し時間がかかりそうですね。

(私が今まで見た中で質の高い現地人講師が集まっているインドネシア教育大学では、全く問題なく学生も日本語習得ができていました。現地の先生は皆「日本語教育学」専攻でかなり研究を重ねられている先生方でした。)

 

名門の大学や、政府主導の人材開発センターを見ましたが、ここで現実的な民間の日本語学校について見ていきます。

 

4.日本アカデミー(Nippon Academy)

こちらはサマルカンドにある日本アカデミー

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校長のミズロブさんは、日本への留学経験者。

2016年、日本で働く友人に手伝ってもらい、日本の語学学校に留学します。

自身の留学の際には留学を斡旋するような会社が無かったため、

1年3か月勉強した後で、ウズベキスタンへ帰国すると日本アカデミーを設立しました。

ものすごい行動力です。

 

設立後は100人以上を日本へ送り込んでいたそうですが、

最近日本の入管が留学ビザに対して厳しくなったのを受けて、かつて100人以上いた学生は現在30名になったんだそう。

皆留学することを主目的として日本語を勉強しています。

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授業をするのはやはり現地人講師です。

N4~N3レベルの人が教えているのだそう。

 

もし、サマルカンド日本語学校で教える体験をしてみたいという方、

ミズロブさんともお繋ぎできますので、ご連絡ください!

 

ウズベキスタンでは日本人講師が不足しているという現状を勉強しました。

また、現地で日本語を勉強した後のキャリアや留学計画のなさが、卒業後・修了後に日本語と関係のない仕事しかつけない、又は仕事がないという状況を生み出しているのだと知ることができました。

 

現状では、ウズベキスタンの平均月収2万~2万5千円では日本語教師を雇うのはかなり厳しい状況にあるかもしれません。

しかし、ウズベキスタンで日本語を教えてみたいと思っている方は、まずはビザなしの1か月から、このような日本人を欲している機関で体験してみるのはいかがでしょう。

現地の機関はどこも非常に嬉しいと思います。

 

 

マンガン日本語教育についても近々書きたいと思います・・・